2012年07月の税務ニュース
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交際費等とその類似費用との区分について
法人が支出する費用にはいろいろなものがあります。材料や商品の仕入、従業員の給料や水道光熱費に電話代などといった支出の目的がはっきりしているものはどの勘定科目で処理をしたらよいか迷うことはないでしょう。しかし支出の目的がはっきりしないもの等のなかには、交際費や寄附金として税務申告の際にその支出の一部または全部を経費から除外しなければならない費用がありますので、勘定科目の処理の仕方について注意が必要です。
今回は交際費や寄附金に該当するかどうか悩みそうな支出を個別に紹介したいと思います。
(1)事業に直接関係ない者に対する贈与
事業に直接関係のない人や法人に対する金銭の贈与は、寄附金になります。
接待・供応・贈答等については、相手先が社会福祉法人等・政治団体・神社などに対するものの場合は寄附金となり、それ以外の相手先の場合は、個々の実態により交際費、寄附金、広告宣伝費などの判断をしなければなりません。
また、神社に対する寄贈は寄附金と述べましたが、例えば、祭礼の際の社名入りの山車・提灯などの贈与や、会社の商品の奉納など多くの参拝客の目にふれるようなものの贈与は、寄附金ではなく広告宣伝費となります。
(2)災害を受けた取引先に支出する見舞金
取引先に対して経営の立て直しのために支出する援助金は、通常の場合は寄附金になります。しかし、災害で被害を受けた取引先に対して、その復旧を支援するために支出した見舞金や事業用資産の供与、役務の提供のための費用については、寄附金や交際費には該当しないものとして取り扱われます。
また、取引先のなかでも特約店や販売先等に対し復旧支援のために行なった売掛金や貸付金などの免除についても、寄附金や交際費には該当しないものとされます。
(3)同業団体等に対して懇親のための費用として支出する会費
名目が会費となっていても、実際には懇親会やパーティーの会費である場合は、交際費に該当します。ただし、同業団体等の業務運営の一環として通常要すると認められる程度の懇親費用を通常会費から負担しているような場合には、そのまま会費として認められます。